空間デザイン構造講座 第1回【段階的耐震改修について】
段階的耐震改修について
~地震に強い建物・まちづくり~
地震被害を最小限にとどめるために、まち全体を地震に強くする必要がありますが、段階的耐震改修といった方法はご存知でしょうか?
段階的耐震改修とは、既存建物の耐震性能が極めて低いなどのため、1回の耐震改修により耐震性能を目標性能まで向上させることが困難な建物において、複数回の耐震改修により耐震性能の改善を図ることを言います。
今回は、特定緊急輸送道路沿道建物の耐震化の目標の変更と、これに伴う段階的耐震改修の推進についてお知らせいたします。
【東京都の耐震改修促進計画の改定について】
特定緊急輸送道路沿道建物の耐震化の目標指標が、耐震化率から到達率に変更となりました。
改定前は、令和7年度末までに耐震化率100%が改定後は、令和7年度末までに総合到達率99%になりました。
総合到達率とは、都県境入口のある区間から到達できる確率で、Is指標が小さく倒壊の確率が高い建物の耐震化を図る事で改善されます。
耐震診断から補強設計に進んだ比率は、Is値0.5以上0.6未満の場合25.9%、0.3以上0.4未満の場合14.5%、0.1以上0.2未満の場合6.2% と、
Is指標が小さい建物の耐震化が遅れています。
Is指標が小さい建物の耐震化が進まない理由としては、
①補強箇所や補強範囲が大きくなり改修費用の負担が大きくなる
②建物の利用上、補強する場所が無い
などの理由があります。

【段階的耐震改修について】
冒頭にも記載致しましたが、少しでも耐震改修を進めるために、段階的耐震改修という方法があります。
東京都では7区市(中央区、墨田区、大田区、渋谷区、杉並区、荒川区、八王子市)において助成が行われております。
(特定緊急輸送道路沿道建物の段階的耐震改修に対して R3.4現在)
段階的耐震改修を行う場合は、次のことが補強設計マニュアルに示しています。
適用範囲:第1回目の耐震改修に対して適用
目標性能:補強目標は以下に示す補強目標の下限の1.5倍程度とすることが望ましい
RC造 Is≧0.3・Z・Rt かつ CTU・SD≧0.15・Z・Rt
SRC造 Is≧0.3・Z・Rt かつ CTU・SD≧0.125・Z・Rt(充腹型)
S造 Is≧0.3 かつ q≧0.15
補強計画については、
①段階的耐震改修の状態が長期間継続する場合に備え、できるだけ高い耐震性能の確保に努める。
②大きな偏心、制限軸力を超える下階抜け柱など、大きな地震被害を受ける可能性のある耐震性能上の弱点は必ず改修する。
③補強後の各階の強度分布(CTU・SDの分布)は、できるだけ一様とし、かつ、補強後のSD指標が補強前より低下しない計画とする。
ことが求められております。
少しずつ段階的に耐震化を進めて、地震に強い建物及びまちづくりをしていきましょう。
ご相談も受け付けております。いつでも空間デザインまでお問い合わせください。
~地震に強い建物・まちづくり~
地震被害を最小限にとどめるために、まち全体を地震に強くする必要がありますが、段階的耐震改修といった方法はご存知でしょうか?
段階的耐震改修とは、既存建物の耐震性能が極めて低いなどのため、1回の耐震改修により耐震性能を目標性能まで向上させることが困難な建物において、複数回の耐震改修により耐震性能の改善を図ることを言います。
今回は、特定緊急輸送道路沿道建物の耐震化の目標の変更と、これに伴う段階的耐震改修の推進についてお知らせいたします。
【東京都の耐震改修促進計画の改定について】
特定緊急輸送道路沿道建物の耐震化の目標指標が、耐震化率から到達率に変更となりました。
改定前は、令和7年度末までに耐震化率100%が改定後は、令和7年度末までに総合到達率99%になりました。
総合到達率とは、都県境入口のある区間から到達できる確率で、Is指標が小さく倒壊の確率が高い建物の耐震化を図る事で改善されます。
耐震診断から補強設計に進んだ比率は、Is値0.5以上0.6未満の場合25.9%、0.3以上0.4未満の場合14.5%、0.1以上0.2未満の場合6.2% と、
Is指標が小さい建物の耐震化が遅れています。
Is指標が小さい建物の耐震化が進まない理由としては、
①補強箇所や補強範囲が大きくなり改修費用の負担が大きくなる
②建物の利用上、補強する場所が無い
などの理由があります。

【段階的耐震改修について】
冒頭にも記載致しましたが、少しでも耐震改修を進めるために、段階的耐震改修という方法があります。
東京都では7区市(中央区、墨田区、大田区、渋谷区、杉並区、荒川区、八王子市)において助成が行われております。
(特定緊急輸送道路沿道建物の段階的耐震改修に対して R3.4現在)
段階的耐震改修を行う場合は、次のことが補強設計マニュアルに示しています。
適用範囲:第1回目の耐震改修に対して適用
目標性能:補強目標は以下に示す補強目標の下限の1.5倍程度とすることが望ましい
RC造 Is≧0.3・Z・Rt かつ CTU・SD≧0.15・Z・Rt
SRC造 Is≧0.3・Z・Rt かつ CTU・SD≧0.125・Z・Rt(充腹型)
S造 Is≧0.3 かつ q≧0.15
補強計画については、
①段階的耐震改修の状態が長期間継続する場合に備え、できるだけ高い耐震性能の確保に努める。
②大きな偏心、制限軸力を超える下階抜け柱など、大きな地震被害を受ける可能性のある耐震性能上の弱点は必ず改修する。
③補強後の各階の強度分布(CTU・SDの分布)は、できるだけ一様とし、かつ、補強後のSD指標が補強前より低下しない計画とする。
ことが求められております。
少しずつ段階的に耐震化を進めて、地震に強い建物及びまちづくりをしていきましょう。
ご相談も受け付けております。いつでも空間デザインまでお問い合わせください。
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